なんと珍しい!
この広い世界の片隅で、たまたま他の自転車旅行者と出会いました。
メキシコ(Ensenada) 〜
<4日目>
昨日泊まった宿は無駄に広くて快適そのもの。
しかし、夜は冷たい隙間風がガンガン入ってきて、死ぬほど寒かったです……
宿はたいていの場合、自転車も一緒に部屋に入れてOKなのです。 |
こんな感じの広い敷地の宿(モーテル)だった。 |
とにかく今日こそは出発です。
エンセナダの町を出て、さらに南へ自転車を走らせます。
海岸沿いは走ってて最高。 |
エンセナダから30kmほど走った頃でしょうか。
ちょっと休憩……と思った時でした、後ろからものすごい勢いで自転車が走って来ます。
「!?……まさか、あれはッ!!!」
なんと後ろから走ってきたのは、自分と同じ自転車旅行者でした。
レアポケモンをゲットした時と同じぐらいの感動が、ここにある。 |
こんなアホな事をやってる人間が他にもいるのは当然知っていても、いざ実際に出会うとメチャクチャ感動するものですね。
お互いものすごいハイテンションになって、いろいろと話をしました。
話は弾み、気付いたら2時間ぐらい経ってました(^^;;
彼の名前(あだ名)は「ダディ」。
38歳のデンマーク人。
もう、メチャクチャいいやつです。
彼曰く、
「今回の旅行ではアルゼンチンまで走るつもり。でも、その後はデンマークに戻って婚約者との結婚が待ってるんだ。最後のわがままって感じで出てきたよ」
とのこと。
そして、どちらからともなく
「せっかくだから途中まで一緒に行こうぜ!」
という話になったのでした。
新たな仲間と共に、走行を再開です!
パン屋で補給食を購入。この先の山岳ステージに備える。 |
走り始めてすぐ、ゆるい上り坂の続く山岳ステージに突入しました。
事前に調べた情報では、ここはかなり時間がかかりそうです。
山岳に突入してから数時間が経ち、日も暮れてきました。
しかし、次の町まではまだまだ遠い……
明らかに、このままだと日中に次の町にたどり着けない雰囲気になってきました。
どんな時も「余裕」を常に忘れない男。 |
めっちゃ焦りながら、ダディと相談します。
私「どうしよう?日が暮れてきたけど、この辺りに町なんか無いよ!?」
ダディ「ん?何を心配してるんだトモ(私の名前)。そんなのキャンプしたらいいだけだろう。」
私「え!?でもこんな所にキャンプ場なんか無いよ……って、ああ!日本語でいうところの「野宿」って事ねーっ!?」
さすがダディ、自転車旅行に慣れている漢(おとこ)は違います。
旅行初心者の私は、野宿は最後の最後の手段だと考えていたので、すぐにその発想は出てきませんでした。
というか、なにより……
生まれてこの方、野宿なんてした事が無いんですけど!?
山道もそろそろ終盤。
頂上はもう少し。
ダディ「この辺りでキャンプできそうなところがあればいいね」
という会話をしていた時の事でした。
「オラ〜!」(スペイン語でハローの意)
という声が聞こえてきました。
<つづく>
(走行日:2013年3月12日)